収蔵品展 懐かしの営団地下鉄Sマーク展 が2023年6月6日~9月3日で地下鉄博物館で開催されている。 注目なのは団章(Sマーク)の規格の図も展示されていたことである。

団章の仕様は1960年3月に営団地下鉄の正式な紋章となるのと同時に規格が定められたという。 これ以前に描かれたものなど、規格から外れた形状のものもある。 いずれにせよ、これでやっと規格に沿って団章を作図することができる。

規格の図は写真撮影禁止のようであったので代わりに「模写」したものを以下に示す。 なお原本は紙に黒く描かれたものであるが、わかりやすくするため団章の部分を赤色で描いている。

帝都高速度交通営団の団章の規格(模写)

規格の図の点の座標値は下記の通り。

  • O: (92,72)(\frac{9}{2},\frac{7}{2})
  • C,D,E,F: (92±1762,72±1762)(\frac{9}{2}\pm \frac{17}{6 \sqrt{2}}, \frac{7}{2}\pm \frac{17}{6 \sqrt{2}})
  • G,H: (92±176,72)(\frac{9}{2}\pm \frac{17}{6}, \frac{7}{2})
  • I: (41726,3)(0.007,3)(4-\frac{17 \sqrt{2}}{6}, 3)\simeq (-0.007, 3)
  • J: (5+1726,4)(9.007,4)(5+\frac{17 \sqrt{2}}{6}, 4)\simeq (9.007, 4)
  • S: (92+223,133)(7.208,4.333)(\frac{9}{2}+\sqrt{\frac{22}{3}}, \frac{13}{3})\simeq (7.208, 4.333)
  • Q: (92223,83)(1.792,2.667)(\frac{9}{2}-\sqrt{\frac{22}{3}}, \frac{8}{3})\simeq (1.792, 2.667)

点I,Jは肉眼では方眼上の升目にあっているように見えるが厳密にはずれている。 ただ有効数字3桁はとれるので手書きで作図する場合は升目に線を引いてしまっても良いだろうし、アナログ時代はそのように描いていたケースもあったかもしれない。

点S'を点Sの左に線分S'Sと内円の交点となるようにとる。 また点Tを点Mの左に線分TMと内円の交点となるようにとる。 同様に点Qに対してQ'と線分UNとして点Uをとる。

帝都高速度交通営団の団章:補足図

補足で導入したこれらの点の座標は

  • S': (92+83,133)(6.133,4.333)(\frac{9}{2}+\sqrt{\frac{8}{3}},\frac{13}{3})\simeq (6.133, 4.333)
  • Q': (9283,83)(2.867,2.666)(\frac{9}{2}-\sqrt{\frac{8}{3}},\frac{8}{3})\simeq (2.867, 2.666)
  • T: (92273,4)(2.736,4)(\frac{9}{2}-\frac{2 \sqrt{7}}{3}, 4)\simeq (2.736, 4)
  • U: (92+273,3)(6.264,3)(\frac{9}{2}+\frac{2 \sqrt{7}}{3}, 3)\simeq (6.264, 3)

いくつかの角度も示す。

  • ∠SOH=tan15/622/317.48\tan^{-1} \frac{5/6}{\sqrt{22/3}}\simeq 17.48^\circ
  • ∠S'OH=tan15/68/327.04\tan^{-1} \frac{5/6}{\sqrt{8/3}}\simeq 27.04^\circ
  • ∠COH=135°
  • ∠TOH=tan11/227/3164.17\tan^{-1} \frac{1/2}{-2\sqrt{7}/3}\simeq 164.17^\circ
  • ∠QOG=∠SOH
  • ∠Q'OG=∠S'OH
  • ∠DOG=∠COH
  • ∠UOG=∠TOH

注記:団章は、東京地下鉄株式会社の登録商標である。