近年ポイントカードのポイントが企業(店舗)間で交換できたり、 またその購入履歴を企業(店舗)間で交換するようなものが増えている。 このような様々な形態のポイントカードシステムが発生している

ポイントカードもしくはそれに類するシステムの分類を考えたほうが いいのではないか、と考え、分類について一考察をおこなった。

本稿の執筆にあたり調査は大して行なっておらず、 間違っていることを書いている可能性があるので注意すること。 本稿では、各種類の批評・問題提議などは行わず、単純に比較・考察に留める。

長文かつ似たような文章が度々現れる退屈な文章となるので、 ご辛抱願いたい。

ポイントとは

いろいろとぐぐったところ、野村総研の上田恵陶奈氏による『法制度改革と電子マネーにおける立法の方向性』に書かれている以下の文がポイントの定義とみなされているようである。

有償契約に基づいて発行される電磁的記録で、契約に基づく範囲内で金銭債務を弁済する効力を有する情報

しかし、その文献を後ろを読むと「電子マネーとしての企業通貨」の定義と書いてある。

同じ上田恵陶奈氏による『企業通貨~行動情報に基づいたマーケティング~』には、「電子マネーとポイント・マイレージの総称が企業通貨」と書いてある。 だから上の定義はポイントカードとは言えない。 そして、企業通貨の中に、電子マネーとポイントという種類があって、両者の差は現金購入ができるか否かである。

  • 電子マネー、プリペイドカード: 現金などで価値を購入可能(変換)
  • ポイント: 現金などで価値を購入不可能
「企業ポイントの付与(企業ポイント研究会報告書より)」、ポイントは商品購入などに付随して付与される

もっともポイントが複数の企業のポイントと交換できたり、 電子マネーに交換(換金)できるようになったりと流動性が高まってきた為、 総称して「企業通貨」と言っているようである。 (「ポイントの進化が電子マネーとの境界を崩した」) ちなみに野村総研での企業通貨の定義は下記の通り:

ポイントやマイレージ、電子マネーなど、企業が発行し、商品やサービスと交換できる価値の総称。

以上を踏まえて本稿ではポイント・電子マネー・企業通貨を下記の通りの定義とする。 一般的な感覚とは違って電子化や定量性(数字で表現されるか)を入れてていないが、 本稿ではこう定義する。

ポイント
企業が発行する商品やサービスと交換できる価値であって、現金購入できないもの。
電子マネー・プリペイドカード
企業が発行する商品やサービスと交換できる価値であって、現金購入できるもの。
企業通貨
企業が発行する商品やサービスと交換できる価値。

また、タダで取得できる企業が発行する商品やサービスと交換できる価値(クーポン券など)については、 ポイントとも電子マネーとも異なるように思える。 よって「クーポン券」は本稿では対象から外す。

分類の仕方

企業ポイント研究会報告書のIII章でポイントの利活用実態の比較項目として 以下の6項目を上げている。

  1. 企業ポイントの位置づけ
  2. 企業ポイントの効果
  3. 企業ポイントの付与機会
  4. 企業ポイントの有効期限
  5. 企業ポイントの発行原資の負担者
  6. 企業ポイントの利用対象

本稿では、以下に注目して分類した。

  1. 事業主体(位置づけ)
  2. 効果・目的
  3. 利用対象

残りの3つを外した理由は下記の通り:

  • 付与機会:誘引したい顧客行動に対してポイントを付与するのであって、効果・目的の手段とみなしたため。
  • 有効期限:一定期間内に発行主体又は加盟店の商品購入・サービス利用を即すものであって、効果・目的の手段とみなしたため。
  • 発行原資の負担者:企業ポイント研究会報告書では、企業ポイントの債務履行について議論があったため、このような会計上重要となる発行原資の負担者を分類したものと思われる。本稿では会計上の扱いを議論しないので省いて構わないと判断した。

もちろん各分類の説明で付与機会や有効期限の傾向・考察を行うことはある。

ポイントカード分類

それでは、ポイントカードを分類していくこととする。

無料券・サービス券

店舗で商品購入やサービス利用した顧客に対して券を付与され、 それが同一店舗または加盟店(チェーンとか)である商品と引換されたり割引されるもの。

項目 分類
事業主体 発行主体(自社)
効果・目的 顧客の囲い込み、リピート率取得
利用対象 発行主体の商品・サービス(特定されていることが多い)

付与機会の例:

  • ある顧客が店舗である商品を購入する
  • 店舗が無料券・サービス券を発行し顧客に渡す

利用の例:

  • 顧客が店舗に再訪し、無料券・サービス券を利用する。
  • その店舗のある商品が無料または割引で提供される。

これは一般的な違って「ポイント」という定量的な数値概念は出てこない。 敢えていうと券そのものを1ポイントとみなすと、 1ポイントが商品と交換されるという交換レートとなっているとみなせばよいと思う。

顧客に対し再訪のインセンティブを与えているので顧客囲い込みの効果はあるだろう。 また、券の発行枚数と利用された枚数を比較すれば再訪した顧客の割合や離反率がわかるので、極めて限定的であるが、消費行動履歴がわかる。 (ただし、券を他人に譲渡する場合もありうるので再訪した客でない可能性はある。)

利用期限が過ぎたてんやの無料券
無料券を使用していない顧客は離反顧客と見なされる
引換券・福引券

店舗で商品購入やサービス利用した顧客に対して券を付与され、 それが別の店舗(会場)である商品やサービスと引換されるもの。 (引換には券が複数枚必要な場合もある。)

項目 分類
事業主体 発行主体でない企業、または複数発行主体の共同
効果・目的 顧客獲得、グループ内での囲みこみ
利用対象 特定の商品またはサービス(およびそれの抽選)

付与機会の例:

  • ある顧客が(ある商店街・商業施設内の)店舗である商品を購入する
  • 店舗が引換券・福引券を発行し顧客に渡す

利用の例:

  • 顧客が指定された会場に行って、引換券・福引券を利用する。
  • ある商品が無料で提供される(提供される商品を選択するためにくじを引くなどということをする場合もある)。

無料券とちがって、発行した店舗の商品が得られるのではなく、 通常無関係なものが得られることになる。 そして店舗側からみたら再訪のインセンティブが発生しない。 ただし、ある商店街・商業施設内という視点では囲い込みはできるのであろう。

店舗内スタンプカード

店舗で商品購入やサービス利用した顧客に対してスタンプカードを付与され、 店舗で商品購入やサービス利用する度に一定の比率でスタンプを押してもらえる。 スタンプが一定個数になると、その店舗で商品が無料または割引で手に入れられる。 また、スタンプがこれ以上カードに押せなくなるとカードごと変えることになる(古いカードは回収される)。

項目 分類
事業主体 発行主体(自社)
効果・目的 顧客の囲い込み、限定された購買履歴取得、優良顧客化、顧客単価の引き上げ
利用対象 発行主体の商品・サービス(特定されていることが多い)

付与機会の例:

  • ある顧客が店舗である商品を購入する
  • 店舗がその顧客にスタンプを押す。(ただし、初回の顧客の場合、スタンプカードを発行した上でスタンプを押す。)

利用の例:

  • 顧客が店舗に再訪し、スタンプカードを利用する。
  • その店舗のある商品が無料または割引で提供される。

これは「スタンプの数」が「ポイント」と同じものとみなせ、 現在の一般的なポイントカードの原型のアナログ版であるといえる。

これは以下のようなメリットをうむ:

  • 既存顧客の囲い込み
  • 個々の消費者の購買履歴(ただし一定期間の間のみ)
  • 優良顧客化
  • 顧客単価の引き上げ

スタンプカードのスタンプの個数を見れば、 その顧客の購入履歴(ただし商品名はわからない)がわかる。 ただし、スタンプカードのスタンプは一般にカード以外では管理されておらず、 カードが埋まると新たなスタンプカードに置き換えるため、 購入履歴として追える条件は限られてくる。 (ただし、スタンプカードを他人に譲渡する場合もありうるので再訪した客でない可能性はある。) また、スタンプカードが回収されるまで、客がカードを提示した時にしか発行主体はスタンプを見れない。

なお、近年は電子化されたポイントカードの移行が目立つが、 あまり大きくない商店ではしばしば見かける。 カードとスタンプさえ用意すればよく、規模がさほど大きくない場合は、 費用対効果の点でよいのであろう。

共通スタンプカード

加盟店舗で商品購入やサービス利用した顧客に対してスタンプカードを付与され、 加盟店舗で商品購入やサービス利用する度に一定の比率でスタンプを押してもらえる。 スタンプが一定個数になると、運営元の会社に送付することで、 その会社のカタログにある商品やサービスと引換されるもの。

項目 分類
事業主体 発行主体でない企業
効果・目的 顧客獲得、グループ内の囲い込み、優良顧客化、顧客単価の引き上げ
利用対象 特定の商品またはサービス(発行主体と関係なし)

付与機会の例:

  • ある顧客が共通スタンプカード加盟店舗である商品を購入する
  • 店舗がその顧客にスタンプを押す。(ただし、顧客がスタンプカードを持っていない場合、スタンプカードを発行した上でスタンプを押す。)

利用の例:

  • スタンプが溜まったスタンプカードを運営会社に送付する。
  • カタログが送られてくる。
  • そのカタログから商品を選ぶと、それが送られてくる。

これは「スタンプの数」が「ポイント」と同じものとみなせ、 現在の共通ポイントカードの原型のアナログ版であるといえる。

スタンプやカードの管理が高コストになるため、 現代ではほとんど絶滅していると思われる。 例えばグリーンスタンプは いずれも電子化されたポイントへの移行が進み、 ブルーチップは 完全に電子化されたポイントへの移行された。

企業内ポイントカードと違って、顧客獲得とグループ内の囲い込みの効果がある反面、 購入履歴を取得できないのは、「無料券・サービス券と福引券・引換券」の関係と同じである。

なおベルマークは似ているようだが、 実はこれはポイント→ベルマーク預金→学校・団体の設備品 と一旦通貨(円)を介する仕組みである。よって、 「企業が発行する商品やサービスと交換できる価値」 ではないので本稿の定義におけるポイントにあたらないのであしからず。

企業内ポイントカード

店舗で商品購入やサービス利用した顧客に対してポイントカードを付与され、 店舗で商品購入やサービス利用する度に一定の比率でポイントが付与される。 ポイントが一定個数になると、その店舗で商品が無料または割引で手に入れられる。

項目 分類
事業主体 発行主体(自社)
効果・目的 顧客の囲い込み、購買履歴取得、優良顧客化、顧客単価の引き上げ
利用対象 発行主体の商品・サービス

付与機会の例:

  • ある顧客が店舗である商品を購入する
  • 店舗がその顧客にポイントを付与する。(ただし、初回の顧客の場合、ポイントカードを発行した上でポイントを付与する。)

利用の例:

  • 顧客が店舗に再訪し、ポイントカードを提示した上でポイントの使用を告げる。
  • その店舗のある商品が割引で提供される。

これは「スタンプの数」が「ポイント」と電子化されたとみなせ、 既述のスタンプカードの電子化版であるといえる。

ただし、以下の2点で特徴的な差がある。

  • ポイントは電子化された情報であり、発行主体のコンピュータシステムで管理されている。
  • コンピュータシステムで管理する都合上、ポイントカードにはIDが振られている。

これは購入履歴として追える条件が明らかに増えており、 発行主体は常に顧客履歴を確認することができる。 ID某の人は何時何を買ったのかというリストの情報をPOSシステムと連携して 得られるのでマーケティングに活かすこともできるだろう。

この種類では氏名・住所・電話番号・生年月日などの記入を求められないものである。 個人情報が必要とされるものは次に示す。 (現在購入履歴それだけでは個人情報と見なされない考えが主流である)

個人情報を必要とされる企業内ポイントカード

店舗で商品購入やサービス利用した顧客に対してポイントカードを付与され、 店舗で商品購入やサービス利用する度に一定の比率でポイントが付与される。 ポイントが一定個数になると、その店舗で商品が無料または割引で手に入れられる。 なお、ポイントカードを作成する際に個人情報(氏名・住所・電話番号・生年月日など)の記入が求められる。

項目 分類
事業主体 発行主体(自社)
効果・目的 顧客の囲い込み、個人情報、個人情報に紐付いた自社での購買履歴取得、優良顧客化、顧客単価の引き上げ
利用対象 発行主体の商品・サービス

付与機会の例:

  • ある顧客が店舗である商品を購入する
  • 店舗がその顧客にポイントを付与する。(ただし、初回の顧客の場合、ポイントカードを発行した上でポイントを付与する。)

利用の例:

  • 顧客が店舗に再訪し、ポイントカードを提示した上でポイントの使用を告げる。
  • その店舗のある商品が割引で提供される。

利用形態は個人情報を求められないポイントカードと全く変わらない。 しかし個人情報を取得することで以下のことができるようになる。

  • 誕生月・誕生日特典サービスなど、顧客個人特定のサービスを提供できる。
  • 顧客履歴が個人情報と紐付けられる。

個人情報を入れ込むことで、顧客の個人特定サービスを提供できると同時に 誰が何時何を買ったのかという情報をマーケティングに活かすことができるようになる。

なお、個人情報保護法に基づき個人情報が何に使われるかを表記することになっている ので実際の個々のポイントカードが個人情報を何に使っているかは規約などを参照してもらいたい。

個人情報と紐付けられているカードと個人情報が紐付けられていないカードが 混在している場合もある。 JR東日本ウォータービジネスのまーマーケティング事例 によると、取得できるマーケティング情報が顧客ごとに異なることを 考慮に入れた上でマーケティングに活かしていそうである(推測)。

なお、企業内ポイントカードとはいっても各企業(各ポイントカード)のあいだで ポイントが交換できるものは、ポイントが共通化されているとみなし もはや店舗内ポイントではないことに注意されたい。

個人情報を必要とされるポイントカードで共通ポイントサービスを提供しているもの

加盟店舗で商品購入やサービス利用した顧客に対してポイントカードを付与され、 加盟店舗で商品購入やサービス利用する度に一定の比率でポイントが付与される。 ポイントが一定個数になると、加盟店舗の商品やサービスが無料または割引で手に入れられる。 または、運営会社が指定する何らかの商品やサービスが無料または割引で手に入れられる。 なお、ポイントカードを作成する際に個人情報(氏名・住所・電話番号・生年月日など)の記入が求められる。

項目 分類
事業主体 発行主体(自社)または発行主体でない企業
効果・目的 顧客獲得、グループ内囲い込み、個人情報(注)、個人情報に紐付いた(注)消費行動履歴取得、優良顧客化、顧客単価の引き上げ
利用対象 発行主体の商品・サービス

注:個人情報の取得は運営会社だけのみのため、その効果を活用できるのは利用店舗=発行主体である場合に限る。

付与機会の例:

  • ある顧客が加盟店舗である商品を購入する
  • その店舗がその顧客にポイントを付与する。(ただし、顧客がポイントカードを持っていない場合、ポイントカードを発行した上でポイントを付与する。)

利用の例:

  • 顧客が加盟店舗で、ポイントカードを提示した上でポイントの使用を告げる。
  • その店舗のある商品が割引で提供される。

利用形態は店舗内ポイントカードと全く変わらない。 しかしポイント共通化に伴い顧客獲得が図れる。

囲い込みという点では加盟企業グループ内での囲い込みである。 顧客視点で言うと、ポイントを様々な加盟企業(店舗)で集められるので、 他の店舗に行くインセンティブが生まれる。 よって、グループ内に競合企業がない場合に限って、 囲い込み効果が得られる。

例えば、ANAのマイルとJALのマイルは交換はほぼ不能であるのはそういう理由ではないか。 (ポイ探によると、JALからANAは不可能、ANAからJALは3社のカードを経由しないと変換できず、また価値も減じてしまう(2012年08月現在))

店舗内ポイントカードの特徴であった個人情報の扱いについては、 A社のポイントを加盟企業のB社でも使えるような場合、 A社での購入履歴は活用できない。 また、個人情報の受け渡しもない(ポイントは共通化しても個人情報は共通化していない)と 個人情報に紐付けられたB社での購入履歴を活用できない。 ただし、ポイントの共通化がポイント交換によって実現されている場合などで、 B社に対しても(A社に提出したのと同様の)個人情報を提供する場合は、 個人情報に紐付けられたB社での購入履歴を活用できる。

なお、例えばTカードは この分類に入らない。 というのも、取得した個人情報を加盟企業で共用できるからだ。

共通ポイントカード

加盟店舗で商品購入やサービス利用した顧客に対してポイントカードを付与され、 加盟店舗で商品購入やサービス利用する度に一定の比率でポイントが付与される。 ポイントが一定個数になると、加盟店舗の商品やサービスが無料または割引で手に入れられる。 または、運営会社が指定する何らかの商品やサービスが無料または割引で手に入れられる。 なお、ポイントカードを作成する際に個人情報(氏名・住所・電話番号・生年月日など)の記入が求められる。

項目 分類
事業主体 発行主体(自社)または発行主体でない企業
効果・目的 顧客獲得、グループ内囲い込み、個人情報、個人情報に紐付いた消費行動履歴取得、優良顧客化、顧客単価の引き上げ
利用対象 発行主体の商品・サービス

付与機会の例:

  • ある顧客が加盟店舗である商品を購入する
  • その店舗がその顧客にポイントを付与する。(ただし、顧客がポイントカードを持っていない場合、ポイントカードを発行した上でポイントを付与する。)

利用の例:

  • 顧客が加盟店舗で、ポイントカードを提示した上でポイントの使用を告げる。
  • その店舗のある商品が割引で提供される。

ほとんどすべての項目ではポイントカードで共通ポイントサービスを提供しているのと変わらない。 (「(注)」が外れているのが差分) ポイントカードのサービス提供やマーケティング分析などに必要なすべての情報が 共通化されているのが特徴的なところである。 顧客視点でのメリットは、ひとつのポイントカード(の登録)だけで、 様々な加盟店舗で利用できることであろうか。

購買履歴については加盟企業(店舗)の中であれば、 企業(店舗)を横断した購入履歴情報を収集しマーケティングに活かすことができる。 このような「横串分析」は非常に複雑な情報処理が必要が思われる。

実際、Tカードの運営会社であるCCCの山本卓也氏は 2012年の現状では技術的問題のためおこなっていないことを示唆している。(『Tポイントの会員データ分析から企業は何を知るのか - (page 3)』)

現状では各提携先ごとのデータに対して分析を行っているが、ここで言う「横串」とはつまり、「提携先全体のデータを共有し、組み合わせて分析する」ことで、より深い知見を得ようとする取り組みだ。ただし、この環境の実現には技術的な面で、膨大な量になるデータを処理するためのリソースをどう確保するかという課題があるとした。

(Tカードに関してはT会員規約の第4条の2〜5項から 「ポイントプログラム参加企業における利用の履歴」がポイントプログラム参加企業 は使うことができる規約になっていると読み取れる(2011年10月1日改訂版)が、 技術的問題などによりそれを行えていないということ。)

考察

既述の通りポイントカードを以下の通り分類した。

  1. 無料券・サービス券
  2. 引換券・福引券
  3. 店舗内スタンプカード
  4. 共通スタンプカード
  5. 企業内ポイントカード
  6. 個人情報を必要とされる企業内ポイントカード
  7. 個人情報を必要とされるポイントカードで共通ポイントサービスを提供しているもの
  8. 共通ポイントカード

そして共通ポイントに近づくほど(上のリストで番号が大きくなればなるほど) 効果が増えてゆくことがわかった。

分類 1 2 3 4 5 6 7 8
顧客獲得 x o x o x x o o
囲い込み o - o - o o - -
グループ内囲い込み x o x o x x o o
購買履歴 o x o x o o o o
個人情報 x x x x x o o o
個人と紐付いた消費行動履歴 x x x x x x x o
優良顧客化・顧客単価引き上げ x x o o o o o o
事業主体が自社の場合は 1,3,5,6,7,8 と効果が大きくなってゆく、事業主体が自社でない場合は 2,4,8 と効果が大きくなってゆく
各ポイントカードの種類に関する効果と事業主体の比較

一概にポイントカードと行っても様々な種別があり、 一般にポイントカードと称される5番と8番もまったく別物であり、 スタンプカードと企業内ポイントカードと同じくらい差がある。

まとめ

本稿では、ポイントカードを分類し比較を行った。 一般にポイントカードと称されるものであっても、 かなり内容は異なるものがあることがわかった。

参考文献