2013 年なのに Netscape Communicator 4 、しかもベータ版の話題です。 つまり懐古厨な Post であります。

Splash Screen, Netscape Communicator Beta

今は亡き Netscape といえば、かっこいい throbber だ。 throbber とは動作中を示すアートワークのことである。 今では、円がクルクル廻ったりする spinning wheel が主流だが、 当時はアプリのアイデンティティを示すためなのか、throbber が流行っていた。

当時、 throbber の中で最も有名なものは間違いなく Netscape だっただろう。

Netscape Communicator 4 Throbber

上は Netscape Communicator 4 (正式リリース版)の throbber である。 Netscape Navigator 3 迄の流れ星が降り注ぐアニメーションを継承しつつも、 流星に色が付き、また衛星の満ち欠けもするなんとも凝ったアニメーションである。 さらに背景をよく見ると星空の中に彗星のようなものも見える。


実は、ここに至る前のベータ版の throbber では、違うものがあった。 私はこちらの方が好きであった。

Netscape Communicator 4 beta 2 Throbber

こちらの throbber 、昼があり、彗星があり、そして最後に衛星が出るという、 ストーリー性のある構成になっているのである。 なんという、throbber にかけた労力であろうか!!


Netscape Communicator 4 beta 2 Throbber, frame-by-frame

それでは、フレーム単位で見ていこう。

Frame #3-#9

最初に太陽のような恒星が上ってくる。 日の出は"N"の影が正面に落ちているため、真ん中から日が昇っているようである。 この昼のときは、空はクリーム色、"N"の字が黒で見えるため、 いつものロゴと明暗が逆になっていて、非常に印象的である。 この日は左上に上ってゆくが、日没前に昼は終わってしまうようである。

なお、このシーンは正式版ではバッサリなくなってしまっている。

Frame #16-#22

そして、流れ星である。 火球サイズだろうか、色が付いているのがわかる。 面白いのは、奥の紫色の流れ星の痕跡(流星痕)は色が赤っぽくなっている。 緑色のはナトリウムを多く含む流れ星をイメージしたのかもしれないが、 他の流れ星の色については不明である。

正式版の流れ星も色が付いているが、流星痕が色を変えているのはない。 また、背景に星空を描くようにしたようである。

Frame #25-#32

最後は衛星の満ち欠けをするシーンである。 この星では、衛星が周天するあいだに満ち欠けをするようである。 衛星の作る"N"の淡く影が見えて、右から左に動いている。 ここでは星空がみえるが、派手さはない。 デザイン的には、侘びに通じるものがあるかもしれないシーンである。

正式版では、派手な星空の流れの中に取り込まれており、 随分と印象が異なる。


Netscape Communicator 4 がこの後の境遇は読者のご存知のとおりである。 このようなかっこいい throbber のあるアプリは、 今後現れることはまずはないだろうな。