2023年7月に、OSCHINA が OSDN の買収を発表した。しかし、OSCHINA のプレスリリースによると、買収は 2022年に行われたとされている。

2022 年,开源中国 (OSCHINA) 正式收购日本老牌开源社区 OSDN。

プレスリリースでは、OSDN の歴史と OSCHINA の歴史が紹介され、オープンソースソフトウェアの発展や中国企業のソフトウェア開発の効率化に貢献したことが述べられている。しかし、OSDN の撤退や運用・保守の強化について言及されていない。

一般的に、企業が他の企業を買収する場合、買収した企業の運用・保守を強化したり、統合したりするのが普通である。しかし、OSDN は買収後も接続できない状況が続いている。

本稿は、OSDN が根本的に接続不能になる前に、できることをメモしたものである。

アクセス状況

OSDN へのアクセスは一部可能だが、ログインはできない。ログインすると PHP の CGI に飛ぶが、そこでエラーになる。そのため、ログインもユーザページの閲覧もできない状態になっている。

ソースコードの取得

現時点では、ソースコードを入手することは可能だ。

OSDNが生きていたころにSSHキーを設定し、それがまだ.sshに残っている場合は、以下のコマンドでアクセスできる。

$ git clone アカウント名@git.osdn.net:/gitroot/プロジェクト名/レポジトリ名.git

sourceforge.jp は現在 osdn.net になっているが、リダイレクトされているため、昔と変わらず git.sourceforge.jp でもアクセスできる。

$ git clone アカウント名@git.sourceforge.jp:/gitroot/プロジェクト名/レポジトリ名.git

他人のプロジェクトのソースを取得するには、 git clone の際に HTTPS アクセスする必要がある。 また、OSDN にログインできないため、公開鍵の新規登録設定ができない状況にある。そのため、SSH キーが何らかの理由で使えない状況にある場合にも同様に、HTTPS アクセスが必須である。

HTTPS アクセスでは TLS 証明書エラーが出るため、環境変数 GIT_SSL_NO_VERIFY を設定して証明書検証を無効にして git clone する。 この場合、OSDN アカウントがなくても readonly アクセスが可能になる。

$ GIT_SSL_NO_VERIFY=true git clone https://git.osdn.net/gitroot/プロジェクト名/レポジトリ名.git

Web インタフェースの https://ja.osdn.net/projects/プロジェクト名/scm/git/レポジトリ名/ は非常に重く遅い。 旧 Web インタフェースの http://git.osdn.net/view?p=プロジェクト名/レポジトリ名.git からは快適に閲覧可能。

ホームページおよびサーバデータの救出

Web サーバは死んでいるが、SSH/SCP でファイルの救出は可能。 /home/groups/プロジェクト名の先頭1字/プロジェクト名の先頭2字/プロジェクト名/ にプロジェクトのホームページの内容がある。

$ ssh -2 -C shell.osdn.net -l ユーザ名
ユーザ名@sf-usr-shell:~$ uname -a
Linux sf-usr-shell 3.16.0-11-amd64 #1 SMP Debian 3.16.84-1 (2020-06-09) x86_64 GNU/Linux

リリースファイルのダウンロード

リリースページ( https://ja.osdn.net/projects/プロジェクト名/releases/リリース番号 )にはダウンロードファイルが表示されず、またダウンロードも不可な状態になってしまっている。

ダウンロードする場合は、直接ミラーサイトを参照することでリリースファイルをダウンロードできる。例えば、IIJ のサイトを参照することでダウンロードできる。

https://ftp.iij.ad.jp/pub/osdn.jp/プロジェクト名/

References